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たばこの性差

たばこが健康を蝕むことは周知の事実ですが、そのことにどれだけの深刻さを感じているかは人それぞれです。たばこを吸わない人は概してたばこの怖さに敏感で、たばこを吸う人はその怖さを甘くみている傾向があることを報告した調査もあります。食堂や公園のベンチなどの公共スペースで紫煙をくゆらしている人の横に、眉を潜めた人が座っているという光景も、よく見掛けます。

ご存じのようにたばこの害は吸っている本人だけでなく、その煙を吸わされる周囲の人にも多大な悪影響を及ぼします。いわゆる「受動喫煙」による健康被害です。

日本人の喫煙者率は男性のほうが女性よりずっと高いので、受動喫煙の被害者は男性よりも女性に多いと言ってよいでしょう。しかも女性は男性よりも、いろいろな面でたばこの害が大きな問題となることが知られています。

いくつか挙げてみましょう。

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割とよく知られているのは、妊娠中の喫煙・受動喫煙の害です。妊婦さんへのたばこの煙の影響は、流産や低体重児(未熟児)出産、周産期死亡などのかたちで現れます。

また、たばこの害が呼吸器の病気だけでなく、がんや心筋梗塞、脳梗塞などを増やすこともよく知られるようになってきましたが、この点でも男性と女性の性差がみられます。例えば、「日本人男性の心筋梗塞の危険因子は高血圧、糖尿病、喫煙の順だが、女性では喫煙、糖尿病、高血圧の順である」との報告があります。もともと女性は閉経まで女性ホルモン(エストロゲン)に血管が守られている関係で、男性よりも約10年遅く心臓血管系の病気が起き始めるのに、たばこを吸うことでそのメリットがなくなってしまうということです。

日本人女性の喫煙率は10%強と、それほど高くはないのですが、若年者層では増加傾向にあります。若年から喫煙を開始することで、からだへの悪影響がより強く現れ、しかも喫煙継続期間が長くなると考えられ、中高年になってからのがんや心臓血管病、呼吸器の病気の発病がより強く心配されます。

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一方、子宮内膜症などの女性ホルモンが関係している病気は、その発病リスクが喫煙により低下することもわかっています。近ごろどこに行っても肩身が狭い喫煙者にとっては捲土重来、「ほらほら。たばこにも健康に良いことがあるではないか」と鼻息が荒くなるかもしれませんね。しかしこれは、たばこがエストロゲンの作用を弱めることの証しでもあるわけです。

エストロゲンとは、さきほども少し出てきましたが、女性ホルモンのことです。そのエストロゲンが血管を守ってくれるわけですから、その作用が弱まれば心臓や血管の病気が増えるのは自然な流れと言えるかもしれません。

なお、エストロゲンの減少が発病に関係している病気として、心臓や血管の病気以外にも骨粗鬆症があり、その骨粗鬆症もたばこによって発病リスクが上昇します。

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ところで、現在たばこを吸っているけれども「できればやめたい」と考えている方は少なくないのではないでしょうか。

実は、禁煙の成功率についても性差があることがわかっています。女性は男性よりも禁煙成功率が低いのです。その背景には、ニコチン依存の程度や離脱症状が男性よりも女性のほうが強くなりやすいこと、とくに女性の生理中や生理前に離脱症状が強くなりやすく、いっとき禁煙に成功しても生理中・生理前に再度吸ってしまうことが多いこと、禁煙後の体重増加を気にしてそれを理由に再喫煙してしまう頻度が高いことなどが考えられています。

しかし、かつては個人の克己心に頼るしかなかった禁煙も、今では効果的な禁煙補助薬がいくつも使えるようになっています。また、禁煙による体重増加は本人が気にするほど周囲の人は気付かず、わずかな体重増加による健康への影響はたばこによる本人と周囲の人の健康被害に比べればはるかに小さいと言えます。

ぜひ、手遅れにならないうちに禁煙にトライしてください。自分一人で無理そうなら、ぜひ医師に相談してください。これは女性だけでなく、男性も同じです。


(2010/01/22)
(ku)

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