
日々暑さが増してくるこの時期は、きゅうりやトマト、ブロッコリーなどの夏野菜がおいしい季節です。最近では、自宅のベランダや畑を借りて野菜を育てる人も増えてきて、家庭菜園に関連する商品の市場も伸びています。
調査会社の矢野経済研究所によると、2009年のガーデニング市場規模は2,212億円(前年比101.1%)と予測されています。この拡大に背景には、家庭菜園分野(野菜苗・果樹苗)が大きく拡大したことがあるとされています。
野菜は、各種ビタミンの宝庫で、最近では生活習慣病やがんの予防にも効果があることが注目されています。厚生労働省の調査では、野菜を多く食べる人は少ない人に比べ、肝がんを発症するリスクが4割低いことがわかっています。これは、厚生労働省研究班「多目的コホート研究(JPHC研究)」として、茨城、新潟、大阪、高知、長崎、沖縄に在住している40歳から69歳の男女2万人を対象に、1993年から2005年まで実施された調査から得られたものです。
この研究によると、野菜、緑黄色野菜の摂取量が多い人は少ない人に比べ、肝がんの発症リスクが約40%減少していることがわかりました。また、野菜や果物に多く含まれる抗酸化物質(α-カロテンとβ-カロテン)の摂取量が多い人にも減少傾向がみられました。一方、ビタミンCでは、多く摂る人のほうが肝がんリスクの高いことが明らかになりました。ビタミンCには、肝炎の原因となる鉄分の吸収を高める作用があるとされています。
野菜に含まれる栄養成分は、健康維持に不可欠であることから、厚生労働省では国民の健康増進のために「国民健康づくり運動(健康日本21)」を展開する中で、2010年度の成人1人1日あたりの野菜の摂取量を350gと定め、緑黄色野菜を120g以上摂取することを目標としています。
しかし、上記の研究のように、野菜だけ摂取していても一部成分の不足、過剰摂取による疾患リスクを招く恐れがあります。厚生労働省、文部科学省、農林水産省の3省が策定した「食生活指針」では、野菜、果物、乳製品、豆類などを組み合わせてバランスよい食生活を心がける呼びかけをしています。
蒸し暑いこの時期は、食事も冷たくさっぱりしたものになりがちです。夏ばて予防・解消のために、野菜からお肉、魚をたくさん摂れる鍋料理を食事のレパートリーに追加してみてはいかがでしょうか。汗をかきながら熱々のお鍋を食べるのも夏の風物詩と言えるかもしれません。
厚生労働省研究班「多目的コホート研究(JPHC研究)」
健康日本21






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