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自己免疫疾患の性差

ヒトのからだは常に体外から侵入しようとする細菌やウイルスの攻撃にさらされています。なんの抵抗もせずにそれらが体内に入って増殖するのを許したら、それこそ、あっという間に感染症にかかり、たいへんなことになってしまいます。そうならないように、細菌やウイルスの侵入に対処するシステムがあり、それを「免疫」といいます。

例えば予防接種。感染症の原因である「抗原」(細菌またはウイルス)を、毒性を弱めてワクチンとして体内に入れます。すると、抗原を排除する「抗体」が体内に作られて、仮に抗原が体内に侵入してもすぐに排除されるので感染症にかかりくく、かかったとしても重症にならずにすみます。予防接種は「免疫」のシステムを上手に利用した感染症予防法と言えます。

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このように、生きていくうえでなくてはならない免疫ですが、それが過剰に働いてしまい、病気の原因となるケースがあります。一つは、からだにそれほど有害と言えないものに対する過剰な免疫反応で、「アレルギー」と呼ばれる病気です。花粉症などはその代表例と言えるでしょう。本来、鼻や目(結膜)から花粉が少々入ってきたところで、病気になるわけではありません。ところが免疫が花粉を抗原だと認識してしまうと、花粉に対する抗体反応が始まり、目のかゆみや涙目、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状が現れてしまうのです。

過剰な免疫反応が問題になるもう一つのケースが、自分の正常なからだに対して作用してしまう「自己免疫疾患」です。関節リウマチ、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、バセドウ病、橋本病、シェーグレン症候群、クローン病、1型糖尿病などが該当します。

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これら自己免疫疾患の罹患率には、顕著な性差が認められる病気が多くあります。そして、女性の罹患率が男性よりも多いことが知られています。統計によって差異はありますが、関節リウマチや多発性硬化症は2-3倍、全身性エリテマトーデスやバセドウ病は6倍前後、橋本病、シェーグレン症候群は10倍ぐらい、女性が多いと報告されています。

なぜ自己免疫疾患の罹患率にこれほどの差異が生じているのか、その理由はまだよくわかっていません。現在のところ、性ホルモンの関与が有力視されています。

その傍証として、それら性差のある自己免疫疾患の発病が、女性ホルモンの分泌が活発になる思春期に多いこと、月経周期にあわせて病状が改善または悪化しやすいこと、妊娠期間中は病状が改善または悪化することがあること、男性ホルモンの補充によって症状が改善し、女性ホルモンの補充によって症状が悪化する場合があること、動物実験においてオスの精巣を摘出すると病気が進み、メスの卵巣を摘出すると病状が改善することがあるなどが上げられています。

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女性には「妊娠」という男性には絶対できない役割があることも、自己免疫疾患の性差に関係しているという説もあります。

免疫が正常に働くためには、まず最初に、自分のからだとは異なるものを「異物」として認識する必要があり、それができなければ抗原を排除しようがありません。妊娠は、女性のおなかの中に自分とは異なる生物(赤ちゃん)を宿すことですので、もし免疫システムがこれを異物だと認識してしまったら、赤ちゃんは育たず、人類は滅亡してしまいます。ですから、女性の妊娠中、赤ちゃんに対しては免疫システムが作動しないようになっています。

このような、複雑なシステムにする必要があるために、免疫にエラーが起きる確率が増えるのではないか、というわけです。


(2009/01/23)
(ku)

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