「性差が大きい病気はなに?」で患者数の男女差が大きい病気を取り上げたとき、女性に多く、なおかつ性差の大きい病気の第1位は骨粗しょう症でした。骨粗しょう症は、骨塩(骨を構成しているカルシウムなどの成分)の量が減少して骨の強度が弱くなり、骨折しやすくなってしまう病気です。
骨塩量は男女とも20歳前後にピークを向かえ、その後は年とともに減少してきます。そのため骨粗しょう症は、高齢者に多い病気です。日本人女性の平均寿命は男性よりも7歳ほど長いのですからその分高齢者人口も多く、これが骨粗しょう症患者の男女差のひとつの原因です。しかし、一番の理由はもっと別のところにあります。
社会が豊になり医学が発展したおかげで、平均寿命は伸びました。それによって、以前はあまり目立たなかったからだの変化も現れるようになってきました。特に、閉経という大きな変化が起こる女性には、その影響が大きく現れています。
閉経とは女性ホルモンの分泌が少なくなることを意味しています。
閉経前の女性は、女性ホルモンの分泌によってからだの調子が最適な状態に保たれています。ところが閉経を迎えると、それまで女性ホルモンによって維持されていたからだのバランスが急に乱れます。女性に骨粗しょう症が多い最大の原因も、ここにあります。
女性ホルモンは、骨の中のカルシウムが血液中に溶け出すのを抑えていますが、閉経とともにその働きは弱まり、骨塩量が急速に低下してしまうのです。
そこで、このような閉経後の骨粗しょう症に対して、女性ホルモンを補充する治療法があります。ところがこの治療法には、乳がんの発生率を高める可能性がありあまり普及していません(現在は、骨の吸収を抑える作用だけに絞った女性ホルモンに似た薬も使えるようになっています)。
女性と骨粗しょう症の話をするとき忘れてならないのが、若い女性たちの過激なまでの「やせ願望」です。やせているということは、脂肪が少ないだけでなく、骨塩量も少ないことを意味します。
やせ細った若い女性たちがおばあさんになったとき、骨粗しょう症が多発するのではないか、それによって莫大な医療費が必要になるのではないか、と危惧されます。




参考:

都道府県別の健康リスク更新(5/ 18)







