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第9回のテーマは
 
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 91歳のアケさん

S.Yさん(愛媛県)

私の祖母は、91歳のアケさん。4年間に夫・子供2人(私の母・叔父)を次々に亡くした。母を亡くした年の暮れに脳溢血で認知症になった。親戚や知人は「これで良かったんかの…」と言った。正気のままではアケさんが可哀想だと。夫はともかく、子供に先立たれることは何よりも悲しく辛い。まして、年老いて出来た子供2人に先立たれるとは…。

初孫である私が県外からこの地に来てもう9年、アケさんの介護を始めて6年以上経つ。畑仕事が大好きで「八百屋でもやるの?」というぐらいたくさんの野菜を作っていた。毎朝、畑から採ってくるブロッコリーが大好きだった。

野菜のほかにもキレイな花をたくさん育ており、家の中は四季折々の花が飾られていた。脳溢血になり、要介護2になったアケさん。6年の歳月で今は要介護4になってしまった。

私が「孫」だということは分かっておらず、「しーちゃん」という存在でしかない。アケさんとしーちゃんの2人暮らし。要介護4、在宅介護はギリギリの状態だ。デイサービスというものがあって本当に助かっている。一人でする在宅介護は並大抵のものではない。

「孫が一人で祖母の介護をしている」という現実に、周りもとても良くしてくれる。約6年半介護しているうちに「当たり前」「日常」になったが、介護し始めの頃は多くの苦悩があった。

「子供に還る」という言葉その通りで、いつでもどこでも私の存在を探す。私がいないとダメなようだ。そんなアケさんを私は失礼ながら可愛くてたまらない。小さい頃から本当に可愛がってもらい、多くのことをアケさんの生き様で教えてもらった。そんなアケさんに、今やっと恩返しできる。

「老い」は、誰ひとり避けられる道ではなく悲しいものである。その反面、純無垢な子供に帰る技でもある。これからも認知症は進んでいくであろう。老いていくであろうアケさんを、私なりに一生懸命介護していきたい。


(2008/09/26)

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