大人の健康生活ガイド:30代の健康 大人の健康生活ガイド:40代の健康 大人の健康生活ガイド:50代の健康 大人の健康生活ガイド:60代の健康 大人の健康生活ガイド:70代の健康



第8回のテーマは
 
応募総数
 

 飛蚊のブンちゃん

榎並 掬水さん(広島県)

飛蚊症と書いて「ヒブンショウ」と読む。

ある朝目覚めたら、目のなかをムシが飛び交っていた。二つか三つ、右の目玉を動かすと、つれて前後左右に揺れて流れた。最初は、ムシが目に飛び込んできたのかと思い水洗いをしたり、目薬を垂らしてみたりした。

それでもムシは入ったままで、とうとう諦めて眼科へと足を運んだところ、網膜裂孔と診断された。網膜が裂けた際、液状のものが眼球のなかに溢れ出てきたものらしい。ピストルの形状をした器具を直接目に押しあて、レーザー光線を数十回照射して裂けた周辺を焼きつけ、裂孔は一段落した。

しかし、飛蚊の症状はそのまま右目に残った。ようやく目のまえの邪魔者にも慣れてきた頃、生涯付き合うさだめと納得し、目のなかの邪魔者に「飛蚊のブンちゃん」と呼び名を与えた。

続いて、「耳鳴りのプチくん」なるものがやってきた。耳のずっと奥まったところで、間をおいてはプチプチとなにかが弾けている。かぼそい音ながら、確かにプチプチいっている。

何年も耳鳴りに悩まされてきた友人のK君が、涼しげな顔つきで「今だって鳴っているよ」などと、すっかり音に慣れてしまっていることを思い出し、気には障るものの医者への相談は行かず終いとなった。ブンちゃんに続いて、プチくんと名づけたことが多少なりとも気を楽にさせており、今では半分身内と考え諦めている。

最近、右脇腹の上っ面の一点に針で刺すような痛みが走ることがある。ほんの一瞬であるが、連続して四、五回繰り返す。たいそう痛い。痛みがきた瞬間、反射的に飛び上がってしまう。

半分やけっぱちで「チクリちゃん」と命名した。実際にはズキンとくる痛みで、適切ではないかもしれないが、呼びにくいのでチクリに決めた。チクリちゃんは、忘れかけた頃を見はからい突然襲ってくる。

ほどなく古希となる。「ブンちゃん、プチくん、チクリちゃん」のほか同類同筋が、これからも増えるであろう。無論、歓迎できるものではないが拒む手立てもない。向こうから勝手に押しかけ身内であることを勝手に宣言する。付かず離れずでやっていくしかない。「ほどほどに仲良く頼むよ」と挨拶し、迎えることにしている。


(2008/08/25)

糖尿病ネットワーク
日本生活習慣病予防<nobr>協会</nobr>
病気別ベスト100
支援基金