この胆のうの中、あるいは胆のうと十二指腸・肝臓をつないでいる胆管などの中にできる石を「胆石」と呼んでいます。"石"とはいってももちろん本物の石ではありません。胆汁の成分(コレステロールやビリルビン)が結晶化して固まったものです。大きさは、砂粒のように小さいものから直径1センチ以上の大きなものまで、いろいろあります。
このような胆石は、中年の太った女性に多いことが知られています。ただ、食生活の欧米化とともにコレステロールの平均摂取量が増えたことから、日本人全体でみても胆石のある人が増える傾向にあると指摘されています。
もっとも、胆石があるからといって必ず症状があるとは限りません。全く症状がなく、人間ドックやほかの病気の検査の際に、偶然見付かることもよくあります。症状がなければ慌てて治療する必要はありません。多くの場合、基本的にそれほど心配ない病気と言ってよいでしょう。
しかし、おなかに疝痛(激しい痛みが発作的に繰り返す)が起きたり、熱が出ることもあります。痛みはおなかではなく、背中や肩に感じることもあります。このような自覚症状がある場合は「胆石症」として治療を進めます。
また、痛みだけでなく、胆石のために胆汁の流れが障害されて、目の結膜(白目)や皮膚などが黄色くなる「黄疸」が現れたり、胆のうの感染症が起きて熱が出たりします。そういった合併症が起きた場合は、痛みのあるなしに関係なく、治療が必要です。


なお、胆石発作が起きたとき、なにも治療しなくても詰まっていた胆石が動いて胆汁が流れるようになり、痛みが治まる場合もあります。しかし自然に治ったからといってそのまま放置してはいけません。胆のうに炎症が起きていないか、肝臓に負担がかかっていないかなどを定期的に調べ、問題がみつかれば、やはり原因療法を行います。
その原因療法には、いくつか方法があります。一つは、胆石を溶かす飲み薬をしばらく服用する方法です。治療に長期間かかるものの、薬を飲むだけなので負担の少ない方法ですが、発作の程度(回数や痛み)が重くない、合併症がない、胆石がコレステール結石であって大き過ぎない、といった条件があり、これらの条件を満たしていない場合は、次から述べる別の治療法を検討します。
より積極的な治療法としては、からだの外から衝撃波を当てて胆石を砕く方法があります。これもからだの負担が少ない治療法ですが、破砕できる胆石の位置や数、サイズに限界があって、やはり万能というわけではありません。
このほかには、内視鏡や手術による治療法があり、胆石の位置やサイズ、数、自覚症状、合併症の有無などによって検討されます。
もちろん、こうした治療の前提として、胆石ができやすくなる食生活、つまり、脂肪分の多い食事の摂取を控えたり、太り過ぎを改善することも大切です。そうしないと、せっかく胆石を治しても、また再発してしまう確率が高くなってしまいます。
(ku)











