「骨折」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、健康な人がスポーツ中に事故などで骨を折ってしまうようなケースではないでしょうか。このようなときは折れた骨を修復し固定しておけば、数週間で元のように戻ります。
しかし、骨粗しょう症で骨折した場合、そう簡単にはいきません。なぜなら、もともと骨の密度が減っているからです。骨折の回復力が弱く、しっかり骨がつながるのに長い時間がかかってしまいます。
とくに影響力が大きいのが、足の付け根の部分(大腿骨頸部)の骨折です。この部分を骨折すると、たちまち動けなくなってしまい、寝たきりの生活を余儀なくされます。寝たきりの状態だと、骨は余計に弱くなり、骨粗しょう症が進行してしまいます。骨がつながるまで何カ月もかかります。高齢者の場合、骨折が治ったころには筋肉が衰えていて歩けず、結局、車椅子の生活になってしまったり、認知機能障害になってしまうケースもあります。
このようにQOL(生活の質)への影響力が大きな骨折を防ぐことが、骨粗しょう症を診断し治療する目的です。女性は男性よりもこの病気になりやすく、とくに閉経後に気をつけておきたい病気の一つです。


幸い今では超音波などを使った簡単な検査があります。検査で骨粗しょう症、またはその予備群と診断されたら、恐らくその時点では全く自覚症状はないと思いますが、ぜひ予防・治療を始めてください。
骨粗しょう症の予防・治療で大切なことは、まず、骨の原料であるカルシウムを十分にとるということです。また、カルシウムの吸収や骨の新陳代謝を活発にするビタミンD、あるいはビタミンKもとるようにしてください。そして、少し骨に負荷がかかるような運動を続けましょう。運動で骨に少し刺激を加えることで、骨の新陳代謝が促進されます。
もう一つは「転ばぬ先の杖」とのことわざどおり、転ばないようにすることと、ヒッププロテクターの使用で、万が一の転倒に備えることです。
家の中のじゅうたんやカーペットの縁は、めくれないように固定しておきましょう。廊下や階段、風呂場など、すべりやすい所には手すりをつけましょう。部屋の照明のスイッチは、暗い中を手探りで探す必要がないように、入り口につけたほうが安心です。外出時は、履き慣れた靴を履きましょう。
骨粗しょう症のはなし(武田薬品)
(ku)











